議員研修   JIAM 令和元年度第3回市町村議会特別セミナー 

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日時:1月27日(月)・28日(火)

場所:滋賀県大津市 全国市町村国際文化研修所

【講義1】
「児童福祉現状と課題~子ども虐待と地域の関わり~」
                        関西大学人間健康学部人間健康学科 教授 山縣 文治 氏

将来的な消滅可能性市町村率の推定を踏まえた上での少子化対策に向けての課題や、子育て支援に関する現状とその問題点及び子供の虐待に関する様々な要因に関して専門的な見地からの話であった。

現状における少子化対策の課題と子育て支援や子供の虐待に関する問題点及び地域として取組まなければならない課題等を理解する上で大変に参考になったが、社会の変化により虐待の発生要因も複雑化してきており、これに様々な面から対応しようとして各市町村でたくさんの相談窓口が設置されているが、かえって相談する際には分かりづらく、相談窓口を整理する必要性を感じた。また地域に親子がとけこみ地域ぐるみで子育てというものを考えていく必要があるのではないかと思った。

【講義2】
「社会福祉と財政システム~グローバル化と税制~ 」                          京都大学大学院経済学研究科/地球環境 学長 諸富 徹 氏

日本の財政状況(一般会計・社会保障費)、社会福祉モデル、社会保障制度(年金制度・医療保険制度・無保険及び無年金)及び社会保障費の負担等に関しての概要についての話であった。 

所得再配分機能を踏まえて高額所得層における所得税の「逆進性」の検討、金融所得への課税の強化(特に高額所得者層)、法人税率のグローバル化への対応(国際競争力の維持)、消費税の税率と社会保障機能の充実との抱き合わせによる検討、グローバル課税(一国の税制を超えて)とデジタル課税の検討等、日本の年金・医療制度と税制に関しては、今後の高齢化に伴う社会保障費の増大を消費税率含めて、どのように負担していくかを考える上で極めて重要な課題となっており、経済のグローバル化に対応可能な国内税制に改革していくことと共に公平な税制を構築していく必要性があるとのことであった。

これらの社会福祉と税制システムの仕組みは総体的に煩雑で理解し難い内容もあり、その意味においては、今回のセミナーにより、社会福祉全体の仕組みとその費用負担を含めた財政システムをより理解していく上で、その概要を大枠で知れたことは、今後に向けて大変に参考になった。

【講義3】
「超高齢社会の現状と地域包括ケアによるまちづくり~一人暮らしの高齢者が自宅でケアを受けられる地域包括ケアシステムの構築~
」                                     東京大学高齢社会総合研究機構 教授 辻 哲夫 氏

2040年には日本の高齢化率が36.9%、また夫婦のみの世帯も609万世帯になることが予想されており、認知症高齢者の増加(85-89歳で4割、90-94歳で6割、95歳以上で8割)を踏まえた医療介護政策に関する話であった。

医療介護政策としては、社会的なことができなくなる年齢を遅くする為に、生活習慣予防や介護(フレイル)予防が重要であり、また、定年後のキャリア(経験・能力)の活用ができる社会の構築等、地域就労の重要性も提唱されていた。事例として、柏市のプロジェクトが紹介されており、「栄養(食/口腔)・運動・社会参加」の三位一体の複合アプローチによる総合的な一次予防を行っているとのことであった。
【柏市の取組】

・かかりつけ医が合理的に在宅医療に取組めるシステム(日本モデル)の実現

・サ-高住宅と在宅医療を含め24時間在宅ケアシステムの組合せによる真の地域包括ケアシステム

・地域の高齢者が地域内で就労できるシステムの構築、可能な限り自立生活を維持する

在宅医療は岡谷市も課題であり、医師一人の診療所を中心に相互連携グループを確立させることが重要で、その為には市民病院との連携が鍵になる。柏市で見られる豊四季台地域のサービス付き高齢者住宅と在宅医療に関しては、公団住宅の立て直しと絡んだまちづくりをしており、自治体の枠を超えた複数のコミュニティーが重なり合う大切さを感じる。また、フレイルチェックが効果的であると思われるが、更に、様々な高齢者就労の場を創りだすことやそのマッチングに向けても力を入れていくべきであると思った。

【講義4】
「10年後の彼を見つめた就労支援~未来への下ごしらえ~」                        東近江圏域働き・暮らし応援センター「Tekito-」 センター長 野々村 光子 氏

障がいのある人の就業やそれに伴う日常生活で必要な支援の提供を目的とした働き・暮らし応援センター「Tekito-」は、「障害のある人やひきこもりの人が企業・事業所の仕事と出会うこと」や「企業・事業所の人たちが障害のある人やひきこもりの人と出会うこと」、そして、「地域の人たちが障害のある人や引きこもりの人の働きたい気持ちに出会うこと」といった、「出会い」のコーディネートに力を注いでいるということであった。

また、市民活動が活発な東近江の地域特性を活かし、様々な企業・事業所・市民活動と出会う機会の創出により、障がい分野以外の地域課題にも取組んでいるとの話であった。

感想としては、この事業の推進には野村氏のマンパワーが非常に大きいと感じると共に、全般に温かく、そして力強いエピソードの連続で熱い思いが伝わった。しかしながら、岡谷にも生活就労支援センター(愛称:まいさぽ岡谷市)があり、今回の話の内容をどの様に反映するかについては大きな課題あると思った。