会派視察:静岡県 湖西市、浜松市、三島市                                      〇NPO法人はまなこサイクル                      〇浜名湖サイクルツーリズム推進会議                  〇みしま未来研究所                        

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日時:令和2年10月14日~16日

〇NPO法人はまなこサイクル(湖西市}                                     JR鷲津駅前に2018年オープンの「はまなこサイクルステーション」で、理事長で静岡県議会議員の田内浩之氏に話を伺った。また、田内氏にガイドをいただきながら、舘山寺まで約12キロを体験走行を行った。 

【サイクルコース】                                                  ・アップダウンはなくとても走りやすいコース。                                  ・舘山寺付近は浜名湖すれすれの自転車専用道路が続きとても開放的。                   ・道路につけられた矢羽根や案内板などとてもわかりやすい。                          ・車道のみの公道を走っているときは、車にクラクションを鳴らされることはない。聞いてみるとすでに街中の雰囲気が自転車に優しい雰囲気が出来上がっているとのこと。ただし、車列は長くならないように心がけるなど、こちらがマナーを守ることも大切なことであるとのこと。 

【サイクルステーション立ち上げ】                                              県が浜名湖へサイクリストの誘客をはかるも拠点になる場所がなかったという背景がある。民間に打診するもうまくいかず、地元の自転車店と商店街の若手経営者で立ち上げた。1年間スタッフはボランティア、利益で自転車を買い足していった。現在Eバイク5台、ロード6台、クロス8台、マウンテンバイク2台。2019年1月サイクリスト向けのゲストハウスをオープン。

【2019年度実績】                                                売上額400万円/利用人数:約1200人 (リピーター2割。県内3割・中京圏3割・関東圏3割・関西圏1割。20代から30代が7割。9割が土日及び連休利用)

【感想】                                                           ・協力的な自転車屋さんの存在(整備できる人)、人材や補助金に頼らない経営、顧客満足度を上げるサポート体制やトラブル対応/SEO対策が必要である。                                 ・今後については、定期的なツアーの開催を検討中。                                  ・ゲストハウス事業(2019年改装費他1000万)においては、コロナの影響により厳しい経営が予想されるが、国内の若者旅行者の取り込みを行っていくとのこと。

〇浜名湖サイクルツーリズム推進会議の役割について(浜松市)                             浜名湖サイクルツーリズム推進会議考え方と歩みについて、座長の田中浩治氏に、活動をコーディネートしている、地域づくりサポートネットの代表理事山内秀彦氏に話を聞いた。                         ・サイクリング愛好者を浜名湖地域に呼び込み、観光につなげるための官民組織「浜名湖サイクルツーリズム推進会議」の立ち上げの経緯と取り組み内容について聞いた。                             ・サイクルツーリズムは全国で各地域の地域性を活かし、ないものを提供=支えあう①顧客が望んでいて②競合他社は提供できず③自社が提供できる価値として創造していくことが大切とのこと。                  ・浜名湖の遊覧船事業は、伊豆箱根鉄道の上場廃止と共に撤退後、サゴーグループが引き受けた。

【ニューツーリズム】                                                ・ウィズコロナ、ポストコロナに適した新しいツーリズム(ニューツーリズム)の在り方を浜名湖から提供していく。                                                      ・情報を経済効果に変えていくのが民間の役割であり、湯布院の在り方を参考に機能を分けて取り組む。                        ・今後はワーケーション事業を始める予定である。

〇みしま未来研究所のまちづくり(三島市)                               【三島市】                                                    ・人口:109,445人 高齢化率 29.09% (令和元年12月31日現在)                     ・特長:自然環境、便利な立地(品川で最短38分)、学園都市、古くから市民活動が盛んである。                         

【みしま未来研究所】                                                         ・沿革:                                                        2014年「NPO法人みしまびと」設立「みしまびとプロジェクト」発足                             2016年 市民参加型映画「惑う After the Rain」完成                        2019年「みしま未来研究所」オープン                                      ・施設: 三島市の中央町周辺のにぎわい創出事業として旧市立幼稚園をリノベーションしてオープン。                         ・目的: 中心市街地の賑わい創出と映画づくりから発展した地域の人材育成の拠点化。                                                             ※“地域の未来をつくる人をつくる”ことをビジョンとして活動。                             ・機能:                                                   ① 地域で働く人のプラットフォームとなる「コワーキングスペース」                       ② イベントや勉強会で地域住民の成長や交流を促進の「多目的スペース」                  ③ 気軽に立ち寄って街との接点を産み出す「カフェ&バーBlooming」                    ④ マルシェイベントや各種レクリエーションに活用する「みんなの広場」                    ⑤ 地域の高校生を未来の地域リーダーに育てる「高校生の部屋」                        ・運営:改修工事を地元の建設会社が行い、運営はNPO法人みしまびとが行う共働プロジェクト                           ※改修費の一部をクラウドファンディングで調達(達成額164.5万円 目標額 100万円)                              

【概要】                                                                               ・みしま未来研究所は、NPO法人みしまびとが運営しているが、NPO法人みしまびとは、「惑う」という映画製作をきっかけとして集まった市民を母体に始まったまちづくり団体で“人と人、人と団体、団体と団体がゆるやかにつながるプラットフォームとすることを目指している。                             ・NPO法人みしまびとには、市民、企業、行政、任意団体等の他、三島市以外からも参加している。事業スキームは、民間業者(建設会社)が、建築も含めた事業提案行い、市での事業採択後に、その土地と建物を業者に貸出し、その地代と賃貸料を市に支払うと共に、業者がNPO法人みしまびとに土地と建物を転貸借して施設の運営を行っており、業者には賃貸料を支払っている。                                             ・まちづくりに関する勉強会やイベントの開催、地域の高校生に向けた人材育成事業やコワーキングスペースやカフェバー等も設置することで、市民が広く、また気軽に立ち寄って交流できる環境を提供しており、中心市街地の活性化も含めた取組となっている。                                  ・みしま未来研究所の現在の課題は、家賃収入が十分でなく稼ぐのが大変、カフェバーの運営(当番制)が大変である、企画をやり続けることが困難、運営にあたって様々な業務が面倒である、また決定に際して時間がかかること等、実際に施設を継続的に運営していくうえでは多くの課題がある。                         

【感想】                                                              ・官民協働の試みとしては、大変に興味深く、また、将来に向けての人づくりに焦点をあてていること等、三島市の未来を研究するという「みしま未来研究所」の名前にふさわしい活動であった。                                ・企画を民間業者が行い、土地と建物を行政より賃借して、それをさらにNPO法人に転貸借して運営するというPFI手法の事業であり、また、費用もクラウドファンディングを活用することで施設にかける費用を低く抑えることができており、今後の公共施設の取組として参考になった。                         ・施設の運営をNPO法人が行っているが、ボランティアベースでの運営では息切れをしてしまい、継続的な運営をしていくには、かなりの課題があるように感じた。実際、カフェバーでは、行政の人が夜は担当していて、継続的な運営をしていくには、ビジネス目線で経営していくことが必要であり、そのためには、運営も専任制にして専門化(プロ化)にしていかないと難しいように思う。                                  ・岡谷市も今後、保育園や学校の統廃合も想定されている中で、市民、企業及び団体等が自由に交流できる、また高校生を主体とした人づくりを目指して、リノベーションした施設を活用していくことは、これから益々必要とされるのではないかと思う。そういう意味では、この取組は大変参考になった。