星降る中部高地の縄文文化 【岡屋考古館】について                        大昔調査会 三上徹也氏

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日時:令和3年3月14日  AM:9:00~10:00

場所:会派室

一般社団法人大昔調査会 副理事長三上徹也氏と岡屋考古館についての意見交換

三上徹也とのミーティング
市内の縄文遺跡の位置確認
『諏訪地域の縄文遺跡』パンフレット

概要:

一般社団法人大昔調査会は文化財保護など行政によってできなかったことや、やりにくかったことについて郡広域に活動を行っている。県外の会員合わせて約50名。岡谷では4名ほどが活動を行っている。

岡屋遺跡について

岡屋遺跡は1955年10月に林道工事の際に偶然発見され、尖石遺跡調査の宮坂英弌氏を指導者とし調査が実施された。その結果縄文時代住居4件、弥生・古墳時代住居6件を確認。複数の時代をまたがった遺跡は複合遺跡と言われており貴重な遺跡である。その後昭和33年に保存会が立ちあげられ今日まで市民の寄附や地域により維持管理がされてきた。現在の所有者は十五社。

岡屋考古館が建館60周年を迎えるに向けて、①美術考古館での企画展②岡屋遺跡についてのフォーラム③啓発書籍の刊行を希望するが、維持管理にも苦労している状況から行政と民間の関わり方について意見交換をおこなった。岡谷市埋蔵文化財行政の抱える問題点として、埋蔵文化財専門職員の不在など関心の薄さが指摘され、近隣地町村と比較して岡谷市の体制には課題が感じられた。日本遺産「星降る中部高地の縄文世界」として注目されていることもあるので、地域で専門的知見をもって活動されている方々と協力しながら、盛り上げていく必要があるのではないかと感じる。

教育の分野からも、教科書で学ぶのみならず、昔の遺跡が身近にあることを紹介することや、現地見学に行くなどできると、地域をより知ることができるため有効ではないか。

岡屋遺跡については偶然発見されてから発掘調査、保存が市民団体のより行われてきており、市民の文化財保護精神という点からも貴重な遺跡である。施設の維持管理については大昔調査会でも行っていく事はできるとのことであったが、やはり地域の貴重な資源を後世に残していくためには、行政も積極的に関わっていく必要があると感じた。地域のために活動されている方により沿った岡谷市行政であることに期待する。

長野県地域発元気づくり支援金を活用し制作されたパンフレットが大変わかりやすく、あまり興味のない世代も楽しめる内容となっているのではないかと感じた。多くの場所で手にとることができると啓発の一助になるのではないか。また諏訪湖周サイクリングロードの完成も控えているため、自転車と地域の文化遺産の組み合わせについても可能性がある。

感想:

文化財等については貴重な地域資源のひとつとして活用されるべきものであるとの認識している

が、恥ずかしながら私自身、岡屋遺跡について知らずにいた。複合遺跡という貴重なものであるということで観光資源としての活用も期待できる。維持管理の問題の早期解決と同時に、どのように活用していくか、その方策についても模索していきたい。施設は常時見ることのできる状況ではないとのことだが、より深く知るためにも一度視察を行いたい。