日時:令和4年3月31日 PM:14:30~16:30
場所: 岡谷市川岸 Criket社/CricketFarm
2021年8月創業(岡谷市川岸)の「Cricket」坪井大輔氏との意見交換、及び、CricketFarmの見学。
概要:
昆虫(フタホシコオロギ)を養殖加工。SDGsの観点から、市の学校教育で食育として取り組んでほしいとの要望がされた。
坪井氏は北海道出身の起業家。専門はIT、複数の企業を経営している。現在茅野市(古民家に住みたかったが岡谷にはなかったため茅野市)に在住している。岡谷市川岸にある元工場を利用しフタホシコオロギ(石垣島などに生息。雑食である)を養殖加工。
現在工場を増やしたいため岡谷市役所に相談したが、「ない」との反応だった為茅野市で検討中。
また、工場も増設したいと考えているが、岡谷市では「ない」とのことだった為、こちらを茅野市で物件を探している。(1400~1500平米とのことだが、食育と絡めることで若草保育園を利用できないかと個人的に感じた。)
世界・日本の社会問題解決のために、SDGsの2(飢餓をゼロに)3(すべての人に健康と福祉を)13(気候変動に具体的な対策を)を念頭に、foodtech産業の参入したとのこと。
プロテインバーをはじめ、塩に混ぜたコオロギソルト、美容オイル等々商品化。
工場内は、温度や湿度、水、餌等々はすべてITによって管理されている。そのため従業員はアルバイト3名のみ。ひとつのケースには1000匹。1000匹×3段におかれた棚が大きな空間を持つ3部屋に渡って整然と並べられている。
産卵、飼育、孵化までを循環させている。加工の前には断食の期間を設け体内の老廃物を排出させることで糞や内容物など不純物は取り除かれる。
タンパク質71.5%。脂質13.4%。(100グラム当たり)遺伝子組み換え、ゲノム編集は一切なし。
―食育について―
日本はカロリーベースで食料自給率は38%、食料確保に対する日本人の危機意識は低すぎる。
昆虫食とは、メニューではなく栄養素と捉え、健康、資源不足解消に寄与する。昆虫を形のまま食料にするつもりはない。昆虫は栄養源だと考えている。長野県とりわけ岡谷市はタンパク質摂取としての昆虫食文化がある。
学校などで、積極的に食育に取り組んでほしい。食育の一環として世界を知ってほしい。
食肉生産による温室効果ガスは、牛2800グラム・豚1100グラムに対し、コオロギは100グラム
1㎏のタンパク質生成に必要な飼料は、牛10キロ・豚5キロ・鶏2.5キロに対し、コオロギ1.7キロ
体重1キロ増加させるのに必要な水分は、牛22000ℓ・豚3500ℓ・鶏2300ℓに対しコオロギ4ℓ
100グラムあたりのタンパク質は、牛16.8グラム・豚17.1グラムに対し、コオロギ71.5グラム
感想:
食料自給率のこと、私たちが産業動物から頂いている命のこと、フードサプライチェーンによる栄養格差のこと、岡谷市には昆虫を栄養源として考えている風土があることや市内の学校給食は地産地消を大切にしていること等から結び付く可能性は高いのではないかと感じた。
教育総務課で確認したところ、これまで給食で蛹やイナゴなどを出したことはないとのことだったが、栄養士さんと話をする機会などを設けられればと思う。